人のエネルギーを受けやすい人の対策|3層の守り方
夕方のスーパー。レジの列に並んでいるだけなのに、前の人のいらだった空気が背中に貼りついてきて、家に着く頃には理由もなく気持ちが沈んでいる。あるいは、機嫌の悪い人が一人いる会議室に入った瞬間、みぞおちのあたりがすっと重くなる——。人のエネルギーを受けやすいと感じて対策を探しているあなたは、こういう感覚を、誰にもうまく説明できないまま抱えてきたのではないでしょうか。
こんにちは、縁の整え方の専門家・出雲です。まずお伝えしたいのは、それはあなたの気のせいでも、思い込みが強いせいでもない、ということです。人の感情や場の空気を細かく受け取る人は確かにいます。近年はHSPという概念も知られるようになりましたが、あれは医学的な診断名ではなく、気質の傾向を説明する言葉として語られているもの。ですから自分に病名をつける必要はまったくありません。受信の感度が高い、それだけのことです。
ただ、感度が高いままで何の対策も持たないと、日常が消耗の連続になります。次のような心当たりがある方は、この記事の内容がそのまま役に立つはずです。
- 人混みや大型店に行った後、決まってぐったりする
- 不機嫌な人が近くにいると、自分まで落ち込んだり不安になったりする
- 誰かの相談を聞いた後、その人の悩みを自分が引きずってしまう
- 一人になると、急に体が軽くなる
- 「誰の感情かわからない気持ち」に振り回されることがある
会うたびに体調や気分が崩れる相手がいる場合は、波動が合わない人といるときに出る症状も、あわせて確かめてみてください。特定の人からごっそり気力を持っていかれている感覚があるなら、運気を吸い取る人の特徴のほうが近いかもしれません。
さて、対策の話です。ここでいちばん大切なのは、感じ取る力を鈍らせようとしないこと。感度を下げる方向の努力は、たいてい失敗しますし、そもそもあなたの持ち味を削ることになります。
私がご相談の中でお伝えしているのは、感度はそのままに、受け取ったものが自分の内側に居座らないようにする三層の守りです。
第一層は、人と会う前につくる境界。第二層は、その場で受け取りすぎないための身体の使い方。第三層は、持ち帰ってしまった分を、その日のうちに下ろす手順です。
多くの方は第三層——お風呂やお清めといった、後始末の方法だけを知っています。でも実は、いちばん効くのは第一層なのですね。入ってくる量が減れば、下ろす手間もいらなくなりますから。
では、その第一層から見ていきましょう。会う前の1分でできて、いちばん体感が変わるのは、「輪郭を確かめる」という作業です。
第一層|受ける前に、境界をつくる
人のエネルギーを受けやすい方に共通しているのは、自分と他人の境目があいまいなまま外に出ていることです。境目がないところに、他人の感情はすっと入り込みます。まず、ここを閉じておきましょう。
1. 家を出る前に、輪郭を確かめる
玄関で靴を履いたら、その場で30秒立ち止まります。足の裏が床に触れている感覚、服が肩に乗っている重み、両手の指先の温度。この三つを順番に感じ取ってください。やっているのは、自分の体の輪郭を意識で一周なぞる作業です。
なぜこれが効くのかというと、他人の感情に飲まれるときというのは、決まって自分の体の感覚が留守になっているからです。輪郭がはっきりしている人には、外の空気が入り込む隙間ができにくい。古くから、気は形のあるものの縁に沿って流れると言われてきました。あなたの体という器の縁を、出かける前に一度なぞっておくのですね。
2. 「今日の私の分量」を先に決める
出かける前に、今日どこまで関わるかを一つだけ決めておきます。「今日は相談ごとには立ち入らない」「今日は雑談は5分まで」。この一文を決めた日と決めなかった日とでは、帰宅時の疲れ方が驚くほど違います。決めておくことは、自分に許可を出しておくことでもあるからです。
3. 会う相手が決まっているなら、名前を書いて距離を先に置く
苦手な相手と会うことが分かっている日は、前の晩に紙へ相手の名前を書き、その周りに丸を描いて、自分の名前を少し離れた場所に書きます。おまじないのように見えるかもしれませんが、これは「私とこの人は別々の存在だ」と自分に確認させるための作業です。実際、当日の反応がずいぶん静かになる、とおっしゃる方が多いですよ。
第二層|その場で、受け取りすぎない
4. 正面と、左側を避ける
座る位置は、正面をなるべく避けて斜めに。立ち話も、体をわずかにずらします。昔から、正面はエネルギーの通り道が開きやすい向きとされてきました。また、心臓のある左側が無防備になると感じる方も多いので、苦手な相手を左に置かない、という工夫も試してみてください。
5. 相槌を「受け止めない相槌」に変える
受けやすい方は、相槌が深いのです。「それは辛かったですね」「わかります」——この言葉を使うたび、相手の感情を自分の内側に招き入れています。「そうなんですね」「大変でしたね」に置き換えるだけで、入り方がまるで変わります。冷たいのではありません。あなたは受け皿ではないのですから。
6. 呼吸を、吐くほうに長くする
人の感情を受け取ると、息が浅く速くなります。気づいたら、吸う時間の倍かけて吐いてください。4秒吸って8秒吐く、を三回。吐く息とともに、自分のものではない感情を体の外に押し出していくイメージを添えます。会議中でも、レジの列でも、誰にも気づかれずにできる守りです。
7. 手を握って開く
みぞおちが重くなってきたら、机の下で両手をぎゅっと握り、3秒かけて開きます。手は昔から気の出入り口とされてきました。握って開くことで、通り道を一度リセットする——そんな意味合いの動作です。頭で考える対処より、体を使った対処のほうが、その場では確実に働いてくれます。
第三層|持ち帰った分を、その日のうちに下ろす
8. 玄関で切り替える
帰宅したら、部屋着に着替えるまでソファに座らないこと。外で着ていた服には、その日の空気がまとわりついていると考えられてきました。着替えと手洗いを「ここから先は私の場所」という区切りの儀式にしてしまいましょう。
9. 塩とぬるま湯で、手と首の後ろを流す
洗面器のぬるま湯にひとつまみの塩を溶かし、両手を30秒浸します。シャワーなら、首の後ろに30秒ほど湯を当ててください。首の後ろは気の入口とされてきた場所です。全身の塩風呂まで含めた作法は塩風呂の効果とやり方にまとめていますので、しっかりやりたい日はそちらを参考にどうぞ。
10. 「これは誰の感情か」と一度だけ問う
寝る前、まだ気持ちが重いなら、自分にこう聞いてみてください。「この重さは、私のもの? それとも今日もらってきたもの?」。答えは考えなくて構いません。問うだけで、自分のものと他人のものが少しずつ分かれていきます。受けやすい方の苦しさの大半は、他人の感情を自分の感情だと思い込んでしまうところから来ているのですから。
出雲のワーク|夜の「返す」ワーク
一日の終わりに、3分だけ行うワークです。強く受けてしまった日だけで構いません。
- 布団に入り、目を閉じて、深呼吸を3回します
- 今日いちばん重く感じた場面を、映像として思い浮かべます
- その重さに色と形をつけます(灰色のもや、黒い塊、など、浮かんだままで)
- 心の中で「これはあなたのものです。お返しします」と唱え、それが相手の方へ静かに戻っていく様子を思い描きます
- 最後に「私の中には、私のものだけが残っています」と唱えて終わります
相手を責めるための作業ではありません。返す、という意識を持つことが目的です。受けやすい方は、他人の荷物を無自覚に持ち帰り、そのまま自分の棚にしまってしまいます。夜のうちに棚を空けておく——それだけのことだと思ってください。
状況別アドバイス
職場で受けてしまう方へ。逃げ場がないぶん、第一層と第二層の比重を上げてください。席が選べないなら、パーティションや観葉植物を一つ置くだけでも体感が変わります。特定の同僚から強く受ける自覚があるなら、職場のエナジーバンパイアへの対処法にある距離の作り方も併用してください。
家族から受けてしまう方へ。同居している相手には、境界がいちばん作りにくいものです。完全に避けようとせず、自室を「入れない領域」として決めること。そして、家の中で一人になれる時間を一日30分だけ確保してください。短くて構いません。毎日あることが大事なのです。
人混みで受けてしまう方へ。買い物の時間帯をずらす、滞在時間を先に決める、帰り道に一度外気の中で立ち止まる。この三つで、かなり軽くなります。
相談を受けると引きずってしまう方へ。あなたは聞き上手なのではなく、引き受け上手になっています。解決策を出さない、後日こちらから経過を尋ねない、この二つだけ守ってください。日常的な気疲れ全般が重い方は、気を使いすぎて疲れるときの配分の整え方もあわせてどうぞ。
そして、どの対策を試しても消耗が抜けない、気分の落ち込みや不眠が続いている——そんなときは、無理をせず心療内科やカウンセリングなど専門家に相談してくださいね。心身を整えることが先で、守りの実践はそのあとで十分に間に合います。
まとめ
- 感度を下げる努力はしないこと。受け取ったものを内側に居座らせないのが対策の要です
- 第一層(輪郭・分量・距離)、第二層(位置・相槌・呼吸)、第三層(着替え・塩・問い)の順に効きます
- いちばん大事なのは、入ってくる量を減らす第一層。後始末より前準備です
もし、あなたが受けやすい相手が特定の一人に絞られているなら、それは気質の問題ではなく、縁の状態の問題かもしれません。その縁が今どんな状態にあるのか、まずは客観的に確かめてみてください。
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