自己肯定感が低い人の人間関係|上げずに保つ方法
「自己肯定感を上げましょう」。その言葉を、これまで何度も見てきたと思います。本も読んだ、朝に自分をほめてみた、できたことを書き出してもみた。それでも、誰かからの返信が短いだけで、今日もまた足元が抜けるように不安になる——自己肯定感が低いことと人間関係の悩みを結びつけて調べてきたあなたは、この繰り返しに少し疲れているのではないでしょうか。
こんにちは、縁の整え方の専門家・出雲です。この記事では、自己肯定感を上げることを目標にしません。低いままでも人間関係を保っていく、その運用の話をします。
- 「自己肯定感を上げてから人付き合いを」という順番は、待っているうちに人生が過ぎてしまいます
- 自己肯定感の低さは、性格ではなく、出来事を受け取るときの翻訳のクセとして関係に出てきます
- 変えるのは自己評価そのものではなく、翻訳が始まってから行動に移るまでの数秒です
- 低いままでも続いている関係には、はっきりした共通点があります
「上げてから」の順番では、いつまでも順番が来ません
自己肯定感については、心理学の領域でもさまざまな考え方があり、上げ方についても一つの答えがあるわけではありません。ですから、ここでは「上げる方法」の話ではなく、順番の話をさせてください。
多くの方は、こう考えています。自己肯定感が上がる→自信がつく→人間関係が楽になる。この順番は、一見すると筋が通っています。
ところが、実際には逆向きの力が働きます。自己肯定感が低い人ほど、人間関係の中で自己評価を確かめようとします。返信の速さ、誘われる回数、相手の表情。そこから毎日、自分の点数を採点し直している。つまり、人間関係の側が、自己肯定感の材料になってしまっているのですね。
材料のほうが不安定なのに、そこから安定した評価をつくろうとする。だから、いくら朝に自分をほめても、夕方の一通のそっけないメッセージで元に戻ってしまいます。
私は、ここは順番を待たなくていいところだと思っています。低いままで運用する。そのほうが現実的ですし、実際そうしている人はたくさんいます。
低さは、人間関係の中で「翻訳のクセ」として出てきます
自己肯定感が低いという状態は、心の中にあるだけでは、それほど問題を起こしません。関係を消耗させているのは、その低さが翻訳のクセになって、日常の出来事に上書きされていくことのほうです。
主な翻訳は三つあります。
一つ目、中立を否定に翻訳する。相手の「了解です」を、そっけない、怒っている、呆れられたと読み替える。事実は「了解です」の四文字だけなのに、そこに感情が足されています。
二つ目、好意を保留に翻訳する。ほめられても、社交辞令だろう、気を使わせたなと受け取る。渡されたものを、その場で置いて帰ってしまうのですね。だから、どれだけ好意をもらっても手元に残りません。
三つ目、無関係を自分に翻訳する。場の空気が悪い、相手の機嫌が悪い、返信が来ない。原因は無数にあるのに、真っ先に「自分が何かしたのでは」と結びつける。この翻訳がいちばん体力を持っていきます。
心当たりのある方は、性格の話をされているように感じるかもしれません。でも、これは反射です。反射は、性格よりずっと手を入れやすいところにあります。
変えるのは自己評価ではなく、翻訳から行動までの数秒
手当ての場所を、具体的に決めてしまいましょう。
翻訳が起きたことに、名前をつける
「そっけない」と感じた瞬間に、心の中でこう言います。「今、翻訳した」。内容を否定する必要はありません。翻訳が起きたという事実に気づくだけです。これだけで、翻訳と自分のあいだに少し距離ができます。事実と翻訳を、一行ずつ書き分ける
事実「返信が三時間後だった」。翻訳「嫌われたかもしれない」。並べて書くと、二行目のほうは自分が足したものだと目で見てわかります。書くのは寝る前でかまいません。翻訳したあとの行動だけ、一つ止める
ここが本命です。翻訳そのものは止められません。止めるのは、そのあとに続く行動です。確認のメッセージを追い送りしない。先回りして謝らない。何度も相手のページを見に行かない。行動が止まると、翻訳は事実として固まらずに薄れていきます。確かめたくなったら、二十四時間だけ寝かせる
翌日になっても同じくらい気になっていたら、そのときに聞けばいいのです。たいていは、翌日には別のことになっています。
嫌われることへの恐れが強く出ている方は、嫌われるのが怖い心理と恐れが育つ4つの段階のほうが、より直接的な手当てになると思います。人の視線が頭から離れないタイプの方は人の目が気になるのを直したいときの考え方をどうぞ。
低いままでも続いている関係には、共通点があります
自己肯定感が低い方でも、長く穏やかに続いている関係を持っている人はたくさんいます。その関係には、いくつかの共通点があります。
こちらから確かめなくても、相手の側から声がかかる。返信の速さが、関係の温度に直結していない。会わない期間があっても、再開したときに責められない。あなたが黙っている時間を、相手が不機嫌だと解釈しない。
ここでわかるのは、続く関係かどうかを決めているのは、あなたの自己評価の高さではないということです。相手の側の、扱いの安定さのほうが効いています。
逆に、消耗が激しい関係にも共通点があります。相手の機嫌の幅が広く、あなたの側がそのつど採点され直す。ほめられたり突き放されたりが交互に来る。この形の関係は、自己肯定感が低い人にとって、とりわけ抜けにくいものになります。次はほめられるかもしれないという期待が残るからです。
すでにこの形になっている関係が思い浮かぶなら、あなたの内面を変える前に、そこを整理するほうが早いことがあります。整理の順番は人間関係の整理のスピリチュアルな意味と運気が変わる手順にまとめています。
また、自分を後回しにする習慣が長く続いていると、自己評価はさらに下がりやすくなります。頼まれごとを引き受け続けている自覚がある方は、いい人をやめたいと思ったときの卒業法もあわせてどうぞ。
なお、自分を責める気持ちが強く、眠れない日や食欲の落ちる日が続いているなら、それは考え方の工夫でしのぐ段階ではないかもしれません。心療内科やカウンセリングなど、専門家への相談も検討してくださいね。
縁切り・開運の視点|自分を低く見積もる人ほど、縁を丁寧に扱ってきた
昔から、縁は扱った通りに育つと言われてきました。雑に扱えば雑に、丁寧に扱えば丁寧に返ってくる。
自己肯定感が低い方の多くは、この点でとても誠実です。相手の言葉を軽く流さない、もらったものを覚えている、自分の落ち度がなかったかを何度も確かめる。その丁寧さが、これまで縁をつないできたことは確かなのだと思います。
ただ、丁寧さの向き先が、外側だけになっているのですね。自分に向ける分がないから、外に配ったぶんだけ薄くなっていく。
私がお伝えしたいのは、自分を高く評価しろということではありません。外に向けている丁寧さの、ほんの一割でいいので、自分にも回してほしいということです。低いままでかまいません。低い自己評価のまま、自分を丁寧に扱っている人は、たくさんいます。
まとめ|上がるのを待たずに、翻訳の後ろを止める
- 自己肯定感が上がるのを待つ順番では、順番はなかなか来ません
- 低さは翻訳のクセとして関係に出ます。翻訳ではなく、その後の行動を一つ止めましょう
- 続く関係か消耗する関係かは、あなたの自己評価ではなく、相手の扱いの安定さで決まります
今のあなたの人間関係が、どれくらいあなたを採点し直しているのか。一度、外から確かめてみませんか。
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