捨てられない・物が減らない6つの理由
ゴミ袋を広げて、部屋の真ん中に立つ。よし今日こそ、と思って一時間。袋の底に入っているのは、空き箱が二つと、乾いたペンが数本だけ。先週も同じことをしたはずなのに、部屋の景色はほとんど変わっていない。「捨てられない」「物が減らない」と検索窓に打ち込んだのは、そんな夜のことではないでしょうか。
こんにちは、縁の整え方をお伝えしている出雲です。この記事は、捨てることをおすすめする記事ではありません。そして、いちばん最初にお伝えしたいのはこちらです。物が減らないのは、あなたの捨てる力が足りないからではありません。
「捨てる量」だけを数えているから、減らないように見える
家の中の物の量は、とても単純な引き算でできています。入ってきた量から、出ていった量を引いたもの。それだけです。ところが片づけの話は、ほとんどが出ていく側の話でできています。入ってくる側は、あまり語られません。
けれど、一週間に家へ入ってくる物の量を数えたことのある方は、多くないのではないでしょうか。通販の箱と緩衝材、買い物の袋、郵便受けのチラシとダイレクトメール、持ち帰る書類、試供品や粗品、詰め替えのストック、いただきものの箱と包装。一週間分を積み上げると、たいていの家で思った以上の量になります。
これが週ごとに入ってくるのに、捨てるほうは月に一度の休日だけ。これでは、どれだけ気合いを入れても減りません。減らないのは当たり前で、あなたの意志の問題ではないのです。
ですから、まず入口を一つだけ止めてみてください。捨てるより、はるかに楽です。
- 郵便受けにチラシ投函お断りの表示を出す。集合住宅なら管理会社に相談してください
- ダイレクトメールは、封筒に書かれている停止の連絡先へ一度だけ手続きする
- 通販アプリの通知を切る。セールの通知は、必要の有無にかかわらず入口を開けます
- まとめ買いは、置き場所が空いているときだけと決める
どれも一度やれば効き続けます。捨てるのは毎回の労力ですが、入口を止めるのは一回の手続きです。この差は、半年もすると景色に出ます。
捨てられない6つの理由と、それぞれの出口
そのうえで、手放せない物のほうを見ていきましょう。理由をひとまとめに「もったいない」で片づけているうちは動けません。
理由1|まだ使えるから
物としては問題がないのに、自分は使わない。この場合、抵抗しているのは「捨てる」という行為であって、「手放す」ことではありません。ですから出口を変えます。譲る、売る、寄付する。捨てる以外の出口を選べば、罪悪感はほとんど出ません。
ただし、出口の手間が大きいと、その物は「売る予定の物」という新しい名前で、また部屋に居座ります。二週間で出品しなければ買い取りか回収に回す。期限を決めるだけで滞留が止まります。
理由2|高かったから
買ったときの値段が、手放すのを止めています。ここでお伝えしたい見方があります。その支払いは、もう終わっているということです。今この物が部屋にあってもなくても、支払った額は戻ってきません。今も払い続けているのは、お金ではなく置き場所のほうです。判断の軸を「過去の値段」から「今の場所代」に移してみてください。
理由3|人からもらったものだから
いただきものは、いちばん手放しにくい種類です。これを捨てたら、あの人を粗末にするようで気が咎める。優しい方ほど、ここで止まります。
けれど、物とその人との関係は別のものです。物を手放しても、感謝は残ります。使わないまま押し入れの奥にしまわれ、見るたびに罪悪感が生まれる状態のほうが、その人との思い出には気の毒だと私は思います。写真に一枚だけ撮って手放す方法をお勧めしています。
理由4|思い出があるから
これは、手放さなくていいものです。片づけの記事の勢いに乗って写真や手紙を処分し、数か月経って取り返しがつかないと気づく。そうなった方を、私は何人も見てきました。
そのかわり、上限だけ決めてください。思い出の物を入れる箱を一つと決めて、そこに入る分は全部残す。箱があふれたときに、そのとき初めて選ぶ。この形なら、罪悪感なく持ち続けられますし、家じゅうに散らばることもありません。
理由5|いつか使うかもしれないから
不安が中心にある理由です。判断の軸は一つで足ります。買い直せるかどうかです。千円前後で買い直せるものは、手放しやすい部類。本当に必要になったら、そのとき買えばいい。逆に、廃番で手に入らないもの、修理に必要な部品、書類のたぐいは残してください。ここを一律に減らそうとすると、後で困ります。
理由6|決めていないから
そして、いちばん多いのがこれです。捨てたくないのでも、取っておきたいのでもなく、まだ決めていない。物が多い部屋というのは、多くの場合、決断が保留のまま置かれている部屋なのですね。
保留の箱をつくって日付を書き、見えない場所に移す方法は、部屋の断捨離で運気が変わった人の共通点にも書きました。ひとつ注意があります。保留の箱が増えていくことです。箱は家に二つまで。三つ目をつくりたくなったら、それはいちばん古い箱を開ける合図です。
数ではなく、面積を目標にする
「今の自分に必要か」は、実はかなり難しい問いです。答えが出ないときは、これがなくなったら来週困るだろうか、と時間の幅を短くして聞いてみてください。もう一度同じ値段で買うか、人に貸してと言われたらすぐ出せるか。どれも捨てるかどうかを問うていません。今のあなたとの距離を確かめているだけです。
そして目標のほうも、数ではなく面積に変えてみてください。テーブル、調理台、洗面台、玄関のたたき、椅子の座面。ここが空いていくと、物の総数が変わらなくても部屋は明らかに軽くなりますし、進み具合を目で確認できます。
日々の運用はこれだけです。一日にひとつ、家の外に出す。何かを買ったら、置き場所を先に決めてから家に入れる。週に一度、曜日を決めて平らな面の上だけリセットする。手をつける気力そのものが出ないという方は、部屋が汚いと気力が出ないとき|最小の一歩を先に読んでみてくださいね。
捨てなくていいもの、捨てないほうがいいもの
書類は、迷ったら残してください。保険、年金、保証書、契約関係、医療費の記録。あとから取り寄せられないものが混ざっています。
家族の物には手をつけないでください。同意なく処分すると、部屋は片づいても関係のほうに傷が残ります。実家や親の物にも同じことが言えます。詳しくは実家の片づけで親と揉めるときにまとめました。
そして、大きな喪失の直後は決める時期ではありません。亡くなった方の遺品、別れた相手との物、離職や離婚の直後の一式。一年は動かさなくて構いません。
片づけの話ではなくなっているとき
ここは大事なところなので、丁寧に書かせてください。次のような状態になっているなら、これは意志や性格の問題ではないかもしれません。
- 床が見える部分がほとんどなく、部屋の中を歩く道が細くなっている
- 寝る場所、調理する場所、お風呂やトイレが、物のために使えなくなっている
- においや虫が出ている、食品が腐ったまま置かれている
- 通路がふさがれていて、地震や火事のときに逃げられない心配がある
- 物を手放そうとすると、強い不安や苦痛が起きる。考えるだけで動悸がしたり、涙が出たりする
- 過去に、家族や誰かに勝手に捨てられて、深く傷ついた経験がある
こうした状態は、思っている以上に多くの方が抱えています。恥じることではありませんし、だらしないという話でもありません。ため込みが生活に支障をきたす水準になっているときは、心と体の状態が関わっていることがあります。
相談先を挙げておきますね。お住まいの自治体の福祉の相談窓口、保健センター、こころの健康相談の窓口。心療内科や精神科でも相談できますし、かかりつけの内科から紹介してもらう形でも構いません。「物が捨てられなくて生活が回らない」という言い方から始めて、まったく問題ありません。
量が手に負えないときは、片づけの専門業者や家事代行、不用品回収という選択肢もあります。ひとりで元通りにしなければならない、という決まりはどこにもありません。
縁を整える視点|保留は、人にも同じ形で溜まります
物が減らない部屋を伺っていると、その方の人付き合いにも、よく似た滞りがあることがあります。返していない連絡、断りきれていない誘い、続けるとも終わらせるとも決めていない関係。捨てられない物と、決めていない関係は、同じ形をしているのですね。
ですから私は、部屋の保留を一つ動かせた方に、同じ手つきで人のほうも一つだけ動かしてみてくださいとお伝えしています。返していない連絡に一行だけ返す。行かないと決めていない誘いに、行かないと決める。物で練習したことは、そのまま人にも使えます。気持ちが固まらないときは手放す勇気が出ないとき|スピリチュアルな見方を、流れごと立て直したいときは運気をリセットする方法|停滞を断ち切る5ステップの手順を使ってみてくださいね。
まとめ
- 物が減らないのは捨てる力の問題ではなく、入ってくる量と、決めていない量の問題です
- 入口を一つ止めるほうが、捨てるより楽で長く効きます
- 捨てられない理由は六つ。思い出の物は手放さなくて構いません。上限の箱を決めれば、持ち続けられます
部屋に溜まっている保留と、人付き合いに溜まっている保留は、たいてい連動しています。
暮らしと縁の整え方は、LINEでも少しずつお届けしています。