親子の相性が悪いと感じる|五つの型と向き合い方
この子の話し方を聞いていると、理由もなくいらいらしてしまう。よその子には笑って接することができるのに、自分の子の同じ仕草には体がこわばる。夜、寝顔を見ながら思うのです。私は、この子と合わないのかもしれない——そして、そう思ってしまったこと自体に、深く落ち込む。親子の相性が悪いと感じて検索された方の多くが、この二段構えの苦しさを抱えていらっしゃいます。
こんにちは、縁の整え方をお伝えしている出雲です。まず、これだけはお伝えさせてください。自分の子と合わないと感じることは、あなたが冷たい親だという意味ではありません。先に結論をお伝えしますね。
- 親子は、性格の相性が合わないことがふつうにあります。血のつながりは、気質が似ていることを意味しません
- 「相性が悪い」と一言で片づけると手が打てなくなります。合わないと感じる背景には五つの型があり、型ごとに手当てが違います
- 型のうち二つは、相性ではなく別の問題です。そこは自分で抱えず、相談先に持っていってください
なお、あなたご自身が親との縁に苦しんでこられた場合の話は親子の縁と前世のカルマにまとめてあります。あちらは子の立場から読む記事で、この記事は親の立場から読む記事ですね。
合わないと感じてしまう自分を、まず責めないでください
親子だから気が合うはずだ、という前提は、実はかなり無理のあるものです。
夫婦は選んで一緒になります。友人も選びます。職場の相手ですら、合わなければ距離を取れます。親子だけが、選ばずに、逃げ場のない距離で、二十年近く同じ家に暮らします。これだけの条件で合わないことがあるほうが、自然だと思いませんか。
そして、気質は遺伝で揃うものではありません。静かに考える親から、じっとしていられない子が生まれます。段取りを立てる親から、その場で決める子が生まれます。同じ家にいても、世界の受け取り方がまるで違うということが、ふつうに起きるのですね。
もうひとつ、知っておいてほしいことがあります。合わないと感じている親ほど、その子のことをよく見ています。関心がなければ、いらだちも生まれません。ざらつきは、無関心の反対側にあるものです。
ですから、ここから先を読むときに、良い親か悪い親かという物差しは一度置いてください。使うのは、どの型に当てはまるか、という物差しだけです。
合わないと感じるときの、五つの型
型1|テンポの差
いちばん多いのがこれです。話す速さ、決める速さ、片づけの速さ。この差は、性格の善し悪しではなく、体に元から備わったリズムの違いです。
せっかちな親とゆっくりな子、慎重な親と勢いのある子。どちらが悪いわけでもないのに、毎日の生活は分刻みで進むので、テンポの差はそのまま摩擦になります。朝の支度、宿題、出かける前。ぶつかる場面が決まっているなら、この型の可能性が高いですね。
型2|感覚の差
音、におい、触り心地、人混み。刺激の受け取り方には個人差があります。平気な人には、なぜ嫌がるのかが本当にわかりません。
服のタグを嫌がる、大きな音に耐えられない、逆にいつも音を出していないと落ち着かない。こうした違いを「わがまま」と受け取ってしまうと、日々のやりとりが交渉になり、お互いに疲れます。繊細さは診断名ではなく、気質を表す言葉として捉えるのがちょうどいいのです。この考え方は繊細さんのスピリチュアルな意味でも触れています。
型3|自分の育った家が、再演されている
これは少し重い型です。子どものある仕草に、自分の親や、自分の子ども時代が重なるとき、いらだちは相手の大きさを超えて出てきます。
甘えられると体が固くなる。泣かれると腹が立つ。反抗されると、恐怖に近いものが走る。もし反応が場面に不釣り合いなほど強いなら、それは今の子どもへの感情ではなく、過去の記憶が動いている可能性があります。
この型は、意志の力ではあまり動きません。自分の親との関係をほどく作業のほうが、結果的に近道になります。親を許せない気持ちを手放す方法に、その順番をまとめました。
型4|子どもの側に、支援が届いていない
じっとしていられない、言葉のやりとりが噛み合わない、集団の中で著しく疲れてしまう。こうした特性が背景にあると、家の中の困りごとは相性の問題に見えます。
けれどこれは、相性ではなく支援の話です。特性に合った関わり方や環境の調整が入ると、家の空気が短期間で変わることがあります。学校のスクールカウンセラー、自治体の子育て相談、地域の発達相談の窓口が入口になります。
型5|相性ではなく、あなたの余裕が底をついている
最後の型は、実はいちばん多いかもしれません。睡眠が足りない、仕事が重い、介護が重なっている、体調が悪い。この状態では、誰といても合わなくなります。
見分け方は簡単です。一日ゆっくり眠れた日や、一人で出かけた日の翌日、子どもへのいらだちが薄れているなら、それは相性の問題ではありません。器の水位の問題です。怒りの出方については子どもに怒りすぎる自己嫌悪で詳しくお話ししています。
型ごとの、今日からの手当て
型1と型2には、接触の設計が効きます。ぶつかる場面が決まっているなら、その場面だけルールに置き換えてください。朝の支度は声かけを一回だけにして時計に任せる、宿題は同じ部屋で見ない。人ではなく仕組みに任せると、気質の差は摩擦になりにくくなります。
型3には、距離と時間が効きます。強い反応が出た日は、その場で解決しようとしないこと。三十分離れてから戻る。そして、なぜこんなに反応したのかを、子どもではなく自分に向けて書き出してみてください。
型4には、専門の窓口が効きます。ここは家庭内の工夫だけで抱えないほうがいいところです。
型5には、休息が効きます。何より先に、眠る時間を確保してください。
どの型でも共通して効くのは、一日のうち五分だけ、用事のない時間を一緒に過ごすことです。注意も指示もしない五分。同じ番組を見るだけ、隣で座っているだけで構いません。関係の温度は、長い会話ではなく、短い無害な時間の積み重ねで戻っていきます。
「愛せない」と思ってしまう日のために
ここは、いちばん言いにくいところだと思います。
自分の子をかわいいと思えない。抱きしめようとすると体が動かない。いなければ楽なのにと、一瞬でも考えてしまった。そう思ってしまう日があること自体は、あなたが人としておかしいという意味ではありません。ただ、一人で抱え続けるには重すぎるものです。
次のようなときは、相談先に持っていってください。
- 子どもといると涙が止まらない、動悸がする、眠れない日が続いている → 心療内科や精神科、産後の時期であれば産婦人科でも相談できます
- 気持ちの整理がつかない、誰にも言えない → お住まいの自治体の子育て相談窓口、子育て世代包括支援センターが入口になります。匿名で話せる電話相談を用意している自治体も多いです
- 手が出そうになる、強い言葉が止まらない → 児童相談所相談専用ダイヤル(189)は、子どもを取り上げるための番号ではなく、親が相談するための番号でもあります
- 学校での様子と家での様子が違う → 担任よりも先に、スクールカウンセラーに時間を取ってもらうほうが話しやすいことがあります
相談することは、親として失格の証明ではありません。むしろ、抱えきれないものを一人で持ち続けるほうが、子どもにとって危うい状態です。誰にも言えないまま来てしまった方は、子育ての孤独が誰にも言えないときの頼り先の地図も見てみてください。
縁を整える視点|相性は、固定されたものではありません
縁を見つめてきた立場から、お伝えしておきたいことがあります。
昔から、親子の縁は選んで結ばれるものだと言われてきました。私は、この言い伝えを「だから合わなくても我慢しなさい」という意味では受け取っていません。むしろ逆で、合わない相手と暮らす時間の中にこそ、その人が学ぶものがあるという話だと捉えています。
そして、相性というのは固定された性質ではなく、距離と時期によって変わるものです。今いちばん合わない相手が、十年後にいちばん近しい相手になっている家を、私は何度も見てきました。多くの場合、変わったのは性格ではなく、距離のほうです。
ですから、今の関係の温度を、この子との一生の答えだと思わないでください。同じ家で毎日顔を合わせている今は、相性が最も試される時期です。時期が変われば、見え方も変わっていきます。
まとめ|「合わない」で止めず、型まで降りましょう
- 親子の気質が合わないことは、ふつうに起こります。血のつながりは、似ていることを保証しません
- テンポ、感覚、自分の育った家の再演、子どもへの支援、あなたの余裕。五つの型のどれに近いかで、手当ては変わります
- 手が出そう、愛せないと感じる日が続くなら、自治体の子育て相談や児童相談所(189)、心療内科など、外に持っていってください
家族との関係のしんどさは、一つの原因でできていないことがほとんどです。今のあなたの状態を、いちど確かめてみませんか。
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