カーテンの色と運気|色より先に効くもの
思い切って、カーテンを明るい色に替えた。運気が上がると書いてあったからです。届いた日は気分がよくて、写真まで撮った。けれど二週間が過ぎ、朝の重さも、部屋にこもった感じも、前とほとんど変わっていない。それでもう一度「カーテン 色 運気」と検索窓に打ち込んでいる——そんなところではないでしょうか。
こんにちは、縁の整え方をお伝えしている出雲です。この記事は、色の吉凶を並べる記事ではありません。順番の話をさせてください。
先に、この記事でお伝えすることをまとめます。
- カーテンの色に、これを掛ければこうなると言い切れる効果はありません。どの色に何を結びつけるかは、流派や書き手によってかなり食い違います
- それでも替えて変わったと感じる方がいるのは、色そのものよりも、部屋に入る光の量と、朝いちばんに目に入る景色が変わったからだと私は見ています
- ですから決める順番は、遮光・遮熱・洗えるかという実利が先。そのうえで残った選択肢の中から、好きな色を選ぶ。この順番だと、外れが出にくくなります
色を替えたのに変わらなかったとき、動いていないもの
まず、いちばん多いところからお話ししますね。
カーテンを替えても、朝に開ける時刻が同じなら、部屋に入る光の量は一分も増えていません。色は変わっても、光は変わっていない。ここが動いていないかぎり、体感はほとんど変わらないのです。
それから、掛けっぱなしのまま何年経ったかも見てください。カーテンは家の中でいちばん外気に触れる布です。埃、料理のにおい、湿気、外から入る排気。それを毎日受け止めて、そのまま吊られています。においが気になる方は、部屋の匂いが気になるときの対処法のほうから入ったほうが早いこともあります。
丈が合っていない、というのもよくあります。窓の下枠より短いカーテン、床に垂れて埃をためているカーテン。どちらも、閉めても隙間から光と冷気が入ります。
明日の朝、この四つだけ確かめてみてください。
- いつもより十分だけ早く、カーテンを開けます。十分でいいので、光の入る時間を増やします
- レースだけの状態にして、部屋がどのくらい明るいかを見ます。ここが暗い部屋は、色を替えても明るくなりません
- 洗濯表示を確かめます。家庭で洗える表示があるものなら、天気のいい日に洗ってそのまま吊るして乾かします
- 幅と丈を測ります。買い替えるかどうかは、測ってから決めます
この四つを済ませたあとで、まだ替えたいと思うなら、そのときは気持ちよく替えてください。順番が逆だと、替えたのに何も変わらなかったという結果になりやすいのです。
カーテンが毎日していること、三つ
色の話に入る前に、カーテンという布が実際に何をしているかを見ておきましょう。ここを押さえると、色の選び方も自然に決まります。
ひとつめは、光です。遮光の機能があるものには等級の表示があり、数字が小さいほど光を通しにくいとされています。寝室のように暗くしたい部屋と、日中に過ごす部屋とでは、必要な等級が違います。眠りが浅い時期に、寝室だけ遮光性の高いものに替えると、朝の感じ方が変わることがあります。寝室全体の配置は寝室の運気とレイアウト|流派を超えた3原則にまとめています。
ふたつめは、熱です。窓は、家の中でいちばん熱が出入りする場所だと言われます。遮熱や断熱をうたう製品があるのは、そのためですね。夏に窓辺だけ暑い、冬に窓際が冷える。その体感は、カーテンの厚みと丈でかなり変わります。
みっつめは、音と視線です。厚みのある布は、外の音をいくらか和らげます。そして外から中が見えるかどうかは、その部屋でくつろげるかどうかに直結します。夜、レースだけで過ごしていて落ち着かない感じがあるなら、それは気の問題ではなく、見られている感覚の問題です。
光、熱、視線。この三つが、色より先に効いているものの正体です。ここまでを押さえたうえで、ようやく色の話に入れます。
色について言われていることと、実際に起きること
以下は昔から言われてきたことと、暮らしの上で実際に起きることを並べたものです。言い伝えのほうは、系統によって説明が入れ替わることがありますので、参考程度に受け取ってくださいね。
- 白・生成り。清らかさや仕切り直しと結びつけて語られることが多い色です。実際には光をよく返すので部屋が明るく見えますが、汚れが目立ちます。洗える素材と組み合わせると扱いやすくなります
- ベージュ・茶。落ち着きや安定と結びつけられます。実際にも家具の色と喧嘩しにくく、日焼けが目立ちにくい部類です
- 緑。休息や回復と語られることが多い色です。実際には目が休まると感じる方が多く、観葉植物との相性もよいですね。植物の置き場所は観葉植物と運気|置き場所は光で決めるにまとめました
- 青。冷静さや静けさと結びつけられます。実際に涼しい印象になるので、北向きで日の入らない部屋に使うと、寒々しく感じることがあります
- 黄・オレンジ。明るさや交流と語られます。実際に部屋の印象は明るくなりますが、面積が大きいぶん、日によっては落ち着かないと感じる方もいます
- 赤・ピンク。活気や華やぎと結びつけられます。窓一面を占めると刺激が強いので、小さな面積で取り入れるほうが扱いやすいでしょう
- 紫。品格や内省と語られることが多い色です。染料の性質上、日当たりの強い窓では色が変わりやすいことがあります
- グレー・黒。引き締めや守りと語られることもあれば、避けるように言われることもあり、説が割れる色です。実際には濃色ほど光を通しにくく、そのぶん熱を持ちやすい傾向があります
こうして並べると見えてくると思います。色に結びつけられている意味は、その色を見たときに人が受ける印象を、言葉にしたものと重なっているのですね。ですから、あなたがその色を見て落ち着くなら、あなたにとってはそれが落ち着く色です。他人の一覧表より、そちらのほうが確かです。
部屋ごとに、決め方を変える
同じ家の中でも、部屋によって求めるものが違います。
寝室は、暗さと静けさを優先します。色は、目が覚めたときに刺激の少ないもの。ここは好みより機能を先に決めてよい部屋です。
日中に過ごす部屋は、明るさを優先します。日の入りにくい部屋なら、光を返す明るめの色を。逆に西日の強い部屋は、遮熱の性能を先に見てください。
仕事や勉強をする部屋は、視界に入る面積が広いので、目が疲れにくい中間色が扱いやすいですね。
そして、家全体で色を揃える必要はありません。揃えると整って見えますが、部屋ごとに役割が違うのですから、違って構わないのです。
買い替えると決めたら、測ってから選ぶ
色を選ぶのは、いちばん最後です。先に、この四つを手元に用意してください。
- 幅と丈。カーテンレールの長さを測ります。丈は、掃き出し窓なら床までの寸法から少し引いた長さ、腰高窓なら窓枠より少し長めが目安とされます
- 必要な遮光の度合い。眠る部屋か、日中の部屋か
- 洗えるかどうか。表示を確かめます。洗える布は、結果としていちばん長くきれいに使えます
- 日当たり。強い窓ほど退色します。買い替えの周期が短くなることを見込んでおきます
この四つを決めてから色を選ぶと、選択肢はぐっと減ります。減ったところから好きな色を選べば、迷いも短くて済みますよ。
それから、買い替えないと決めた場合の手入れについても触れておきます。ドレープは季節の変わり目に一度、レースは埃と外気をいちばん受けているので、それより短い間隔で洗うくらいでちょうどいいと言われます。洗える表示のあるものなら、洗濯ネットにたたんで入れ、脱水を短めにして、そのままレールに吊るして乾かす。この干し方だとしわが伸びますし、アイロンをかける手間もいりません。晴れた日の午前に外して、午後には吊り直せる作業です。
洗ったあとに部屋の印象が変わったと感じる方は、少なくありません。色を替えたわけではないのに明るく見えるのは、布に積もっていた埃が落ちて、通る光の量が戻ったからです。買い替えを迷っている段階なら、先に一度洗ってみて、それでも足りないと感じたときに買う。そのほうが判断を間違えにくいですよ。
縁を整える視点|朝いちばんに目に入る色を、自分で選ぶ
昔から、住まいに掛ける布は、外と内を分けるものとして扱われてきました。暖簾も、几帳も、境目に垂らす布ですね。カーテンも、その系譜にある道具だと私は思っています。
ただ、私がいちばん大切だと思っているのは別のところです。カーテンは、あなたが朝いちばんに触れて、いちばん最初に目にする布だということ。一日の始まりに手が触れるものを、人から言われた色ではなく、自分で選んだ色にしておく。それだけのことが、思っているより長く効きます。
暮らしの流れそのものが止まっている感じがして、どこから手をつけていいかわからないという方は、寝室の整え方|七日間で仕上げる手順を順番の地図として使ってみてください。窓辺だけを変えるより、眠る場所ごと整えたほうが早いことがあります。
まとめ
- カーテンの色に断定できる効果はなく、どの色に何を結びつけるかは流派で食い違います
- 替えて変わったと感じる方は、色ではなく光の量と朝の景色を変えています。開ける時刻を十分早めるほうが先です
- 遮光・遮熱・洗えるか・寸法を先に決めて、残った選択肢から好きな色を選ぶ。この順番が外れません
窓辺を替えたくなる時期は、暮らしのどこかを替えたくなっている時期でもあります。
住まいの整え方は、LINEでも少しずつお届けしています。