寝室の整え方|七日間で仕上げる手順
電気を消したあと、天井を見上げながら思う。この部屋を、どうにかしたい。朝になっても疲れが残っている。眠りが浅い気がする。整えたほうがいいのは分かっているのに、休みの日になると体が動かない——そんな夜が、しばらく続いているのではないでしょうか。
こんにちは、縁の整え方をお伝えしている出雲です。この記事は、寝室を七日間かけて整えていくための、日ごとの手順書です。
先に、二つだけ断っておきますね。
ひとつは、これが配置の解説ではないということ。枕をどちらに向けるか、ベッドをどの壁につけるかといった配置の考え方は、寝室の運気とレイアウト|流派を超えた3原則のほうにまとめてあります。まだ読んでいない方は、先にそちらを見ていただくと、この七日間がずいぶん楽になります。この記事は、考え方を知ったあとで、実際に手を動かすための段取りです。
もうひとつは、効果を約束するものではないということ。寝室を整えたらこうなる、という書き方はしません。住まいの整え方について言われていることは流派や地域によって食い違いますし、同じ手順が誰にでも同じように働くわけでもありません。ここでお伝えするのは、私が長くお伝えしてきた中で、多くの方が最後までたどり着けた順番、というだけのものです。
なぜ、寝室から整えるのか
家の中で、寝室はいちばん後回しにされる部屋です。理由は単純で、人に見せないからですね。来客のあるリビングは片づけても、寝室はドアを閉めておけば済んでしまう。そして閉められた部屋には、行き先を決めていないものが集まります。
もうひとつ、この部屋には特徴があります。一日の最後に見る景色と、最初に見る景色が、両方ともここで決まるということです。目を閉じる直前の視界と、目を開けた直後の視界。その二つが、一日の出口と入り口をつくっています。
そして、疲れている人ほど、ここに手をつけられません。手をつけられる時間帯が夜しかないからです。夜に模様替えを始めて、途中で力尽きて、布団の上に物が載ったまま眠る。この失敗をした方を、私は何人も見てきました。
なぜ七日間に分けるのか
一気に片づけないほうがよい理由が、寝室には四つあります。
一つ目は、途中で夜が来ること。寝室は、その日のうちにまた使う部屋です。二つ目は、成果が見えにくいこと。玄関や台所と違って、手を入れても景色が劇的には変わりません。だから短期集中では気持ちが続かないのですね。
三つ目は、一晩ずつ試せること。光を変えた夜、音を変えた夜、枕元を変えた夜。一つずつ変えれば、自分に効いたのがどれだったのか分かります。四つ目は、外側から内側へ進む順番があること。寝具、光、音、床、枕元、空気。手で触れる条件から、目に入る景色へ。この順で進むと、無理なく最後までたどり着けます。
用意するものはほとんどありません。ゴミ袋が一枚、洗濯のできる日が二日、そして一日あたり十五分から三十分。道具を買い足す必要はありませんし、寝具を新しくする話もこの七日間には出てきません。
では、一日目から始めましょう。一日目にやるのは、掃除ではありません。やることは、たった一つだけです。
七日間の流れ
日付は厳密でなくて構いません。間に休みの日が入っても大丈夫です。順番だけ、できれば守ってください。
一日目|寝る場所から、寝具以外を全部どける
初日にやるのは、これだけです。ベッドの上、布団の上、枕のまわりから、寝具以外のものを全部どける。十五分で終わります。掃除も片づけもしません。
- 寝る面の上にあるものを、いったん全部床に下ろします。洗濯物、読みかけの本、充電コード、上着
- 下ろしたものを三つに分けます。今日使うもの、しまう場所が決まっているもの、決まっていないもの
- しまう場所が決まっているものだけ、しまいます
- 決まっていないものは、寝室の外へ。廊下でもリビングの隅でも構いません
- 今夜は、寝具だけが載った状態で眠ります
この日の狙いは、寝る面に載っていたものの量を自分の目で見ることにあります。決めていないものの扱いに困る方は、捨てられない・物が減らない6つの理由をどうぞ。
二日目|寝具に風を通す
一日のうち七時間前後、あなたの体はこの寝具に触れています。家の中で、これほど長く肌に接しているものはありません。
- シーツと枕カバーを外して洗います。洗えない日は、翌日に回して構いません
- 布団やマットレスを、壁から十センチほど離します。ぴったりつけていると、その面に湿気がこもります
- 敷布団は上げて風を通し、ベッドは掛け布団をめくったまま、朝のうち一時間ほど開けておきます
- 枕の高さが合わないと感じるなら、タオルを一枚足すか抜くかして、その夜だけ試します
- ベッド下、布団の下に溜まった埃を取ります
古くから、寝具は清らかに保つものだと言われてきました。理由の説明はさまざまですが、湿気とにおいの出方が変わることは、その日のうちに分かると思います。
三日目|光を決める
夜の光から。寝る一時間前に、照明を一段落とします。調光ができないなら、天井の明かりを消して手元の小さな明かりだけに。常夜灯をつけている方は、一晩だけ消して試してみてください。逆に真っ暗が落ち着かない方は、足元に低い明かりを一つ。充電中の機器の小さなランプも、暗い部屋では思っている以上に目に入ります。
朝の光。カーテンの隙間から入る光が、寝ている顔に当たっていないか確かめてください。当たっているなら、閉じる位置を変えるか洗濯ばさみで留めます。
この日は、夜か朝か、どちらか一つだけ変えてください。両方いっぺんに変えると、何が効いたのか分からなくなります。
四日目|音を減らす
音は、住まいの重さの原因としていちばん見落とされます。慣れてしまうからです。
- 夜、部屋で目を閉じて一分だけ耳を澄ませます。冷蔵庫の作動音、時計の秒針、空調、外の車、上階の足音
- 消せる音を消します。秒針の音がする時計は別の部屋へ。使っていない機器の電源を落とします
- 消せない音は、寝る位置を音源から遠い側にずらします。数十センチでも変わることがあります
- 通知音とバイブレーションを、夜のあいだだけ止めます
- それでも気になるなら耳栓を。安いもので一度試すくらいで十分です
夜中に一度目が覚めてしまう方は、この日にいちばん変化を感じることが多いですね。
五日目|床を空ける
目標は、床に直接置いているものを減らすこと。半分になれば十分です。衣類は洗濯かごか、かける場所へ。洗わなくていいので、床から離すだけです。紙のたぐいは寝室の外へ。袋と空き箱はそのままゴミ袋へ。最後に、床が見えた部分へ掃除機をかけます。
床の見える面積が増えると、物の総数が変わっていなくても部屋の印象がはっきり変わります。手がつけられないという方は、今日はベッドから手の届く半径一メートルだけに。動く気力そのものが出ないときの進め方は、部屋が汚いと気力が出ないとき|最小の一歩にまとめてあります。
六日目|枕元を三つまでにする
ここが山場です。枕元は、寝る前に最後に見て、朝いちばんに目を開けて見る場所。ここに何が置かれているかで、一日の入り口と出口の景色が決まります。
- 枕元のものを、いったん全部どけます
- 戻すのは三つまで。数を先に決めるのが大事です。何を残すかから考えると、いつまでも決まりません
- 選ぶ基準は、夜中に手が届かないと困るかどうか。眼鏡、水、明かり
- スマートフォンの充電場所を、部屋の外か、手を伸ばしても届かない場所へ移します
- 空いた場所に、見て気持ちの落ち着くものを一つだけ。何も置かなくても構いません
目を開けた瞬間に、済んでいないことではなく、自分で選んで置いたものが目に入る。この違いは、思っているより静かに効いてきます。夜のスマートフォンが手放せない方は、スマホ依存をやめたい人へ|手が伸びる7つの瞬間もどうぞ。
七日目|空気を通して、仕上げる
最終日は、作業を少なめにしてあります。
- 窓を二か所開けて、五分から十分、風を通します。窓が一か所しかない部屋は、ドアを開けて廊下の窓と組み合わせてください
- 床とベッド下に、もう一度掃除機をかけます
- においを確かめます。一度部屋を出て、五分してから戻ったときの第一印象が、いちばん正確です
- においが残るなら、原因を探します。寝具、カーテン、エアコンの内部、押し入れの中
- 寝る位置に座って部屋を見渡し、最初に目に入るものを確かめます。それが気の重いものなら、位置を替えます
そして七日間を振り返ります。どの夜がいちばん眠れたか、どの日の変更がいちばん効いたか。ひとこと言葉にするだけで構いません。また崩れてきたときに、どこから戻せばよいかが分かるようになります。
古くから、場を整えたあとに一言添える作法が伝えられてきました。私は「この部屋で、静かに休めますように」くらいでちょうどよいと思っています。ここを休むための場所だと自分で決める、という意味合いですね。塩を使った整え方は、盛り塩の置き方とやり方|場を整える作法にまとめてあります。
一人暮らしの場合
ワンルームなど、寝室と生活の場が同じ方は、同じ部屋の中に境目をつくることを中心に据えてください。寝る面の上で、食事と仕事をしないと決める。これが一つできれば、他は多少崩れても大丈夫です。難しければ時間で分けて、二十二時を過ぎたら寝る面には何も置かない。ベッドを机がわりに使っている方は、小さな折りたたみの台を一つ用意すると境目ができます。そして六日目の枕元は、二つまでと厳しめに。
家族と同じ部屋で寝ている場合
同室の方がいるときは、一つだけ守っていただきたいことがあります。相手の持ち物には手をつけないこと。同意なく動かすと、部屋は整っても関係のほうに傷が残ります。
- 自分の側だけ進めます。枕元も床も、自分の手の届く半分だけ
- 協力してほしいときは、片づけの話ではなく眠りの話として。「散らかっているから」ではなく「夜中に目が覚めるから、光を一つ消したい」
- 寝具の好みが違うのは当たり前です。掛け布団を一枚ずつに分けるだけで、揉めごとが減ることがあります
- 生活時間帯がずれているなら、後から入る側の動線に物を置かない
- 小さなお子さんと同室の方は、枕元三つの決まりを寝る面の上だけに限定してください
切り出しにくい方は、相談の切り出し方|例文と相手の選び方の言い方が使えると思います。
この七日間で、やらないほうがいいこと
- 一日でまとめてやること。寝室は、途中でやめられない部屋です
- 夜に模様替えを始めること。家具を動かすのは明るい時間帯に
- 先に寝具を買いに行くこと。今ある寝具で七日間を終えてから考えてください
- においを香りで覆うこと。原因を探すのが先です
- 完璧を目指すこと。七日のうち二日抜けても、進んだ分は残ります
- 眠れない理由を、部屋だけのせいにすること
最後の点について。寝つけない日が続いている、眠っても疲れが取れない、朝がつらくて起き上がれない、気分の落ち込みが二週間以上続いている。こうした状態があるなら、部屋を整える前に、医療機関やカウンセリングへの相談を検討してください。内科でも心療内科でも構いません。部屋の話に解決を求めているうちに、休むことそのものが後回しになる。よく起こることです。
まとめ
- 寝室は後回しにされやすい部屋です。だから一気にやらず、七日に分けます
- 順番は、寝具、光、音、床、枕元、空気。一日ずつ変えると、何が自分に効いたのかが分かります
- 同室の方の持ち物には手をつけないこと。自分の側の半分だけで、十分に変わります
- 整えた状態は一か月ほどで戻り始めます。崩れたら、真っ先に六日目の枕元だけ戻してください
- 眠れない日が続くときは、部屋の話より先に医療機関への相談を検討してください
家全体のほうが気になってきた方は、家の気が悪いサイン10と、原因の見分け方を点検の地図として使ってください。七日間を終えても重さが残るなら、滞っているのは部屋ではなく、日々の関わりのほうかもしれません。
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