部屋の匂いが気になるときの対処法
宅配便を受け取ったあと、扉を閉めてから急に気になる。今、この部屋はどんなにおいがしていたのだろう。友人が来る前に消臭スプレーを一振りして、それでも落ち着かなくて窓を開けた——。部屋の匂いのことを調べにこられたあなたも、そんな心当たりがあるのではないでしょうか。
こんにちは、縁の整え方をお伝えしている出雲です。最初に、いちばん大事なことをお伝えします。香りで覆うのは、いちばん最後です。においを隠すと、原因のほうは静かに育ちます。
この記事でお伝えすることをまとめます。
- 自分の家のにおいは、自分ではほとんど分かりません。まず、確かめ方をお渡しします
- においは、その質から発生源をかなり絞り込めます。逆引きの索引として使ってください
- そのうえで、順番に潰していきます。換気、排水口、洗濯槽と布、湿気。この並びには理由があります
自分の家のにおいを、確かめる方法
先に、安心していただきたいことがあります。自分の家のにおいが分からないのは、あなたの鼻が鈍いからではありません。人の鼻は、同じにおいの中に数分いると、それを感じ取らなくなるようにできています。ずっとその家にいる人がいちばん気づけないのは、そういう理由です。
ですから、確かめるには一度離れる必要があります。
- 家を出て、十分ほど外の空気を吸ってから戻ります。玄関を開けた瞬間の第一印象が、いちばん正確です
- 数日家を空けて帰ってきたときが、さらに正確です。旅行や帰省のあとを覚えておいてください
- 部屋ごとに確かめるときは、その部屋を三十分ほど閉め切ってから、扉を開けた瞬間を嗅ぎます
- 外出先で、コートやマフラーの内側を嗅いでみるのも手です。家のにおいは布に移ります
- 家族や同居の方がいるなら、率直に聞いてみてください。聞きにくければ、洗濯物のにおいから話し始めると角が立ちません
第一印象で「こもっている」と感じたら、それが出発点です。落ち込む必要はありません。においは、暮らしぶりの成績表ではなく、換気と湿気の記録にすぎませんから。
においの質から、発生源を逆引きする
ここからが索引です。感じたにおいに近いものを探してみてください。
すっぱい、生ゴミのようなにおい。発生源は、生ゴミ、キッチンの排水口、三角コーナー、そしてごみ箱の底です。ごみ箱は、袋を替えても底に汁が残っていることがよくあります。
生乾き、濡れた雑巾のようなにおい。洗濯槽の内側、部屋干しの洗濯物、バスマット、タオル、洗濯機のゴムのふち。タオルを新しくしても同じにおいが戻るなら、原因は洗濯槽のほうです。
カビ臭い、土のようなにおい。押し入れの奥、家具の裏、窓枠、浴室、そしてエアコンの内部。冷房を入れた瞬間にだけにおうなら、エアコンの中です。
下水のようなにおい。長く使っていない洗面台や排水口で、水の栓の役目をしている水が蒸発していることがあります。まず水を一分ほど流してみてください。それで消えることが、けっこうあります。水回りをどの順で回るかは、水回りの掃除の順番|運気を上げる一巡にまとめてあります。
こもった、重い感じ。これは特定のにおいというより、空気が動いていない状態です。換気で変わります。
甘いような、脂っぽいにおい。布に染みた生活のにおいです。ソファ、カーテン、ラグ、寝具、クッション。人が長く触れる布ほど溜まります。
ペットやタバコのにおい。布に加えて、壁紙と天井に蓄積します。ここは時間がかかる部類なので、順番としては最後です。
家全体の重さが気になって来られた方は、家の気が悪いサイン10と、原因の見分け方を点検の地図として使ってください。においは、そこに挙げた要因の一つです。
掃除の話ではなくなっているとき
索引をたどる前に、ここだけは先に読んでください。大事なところなので、はっきり書かせていただきます。
- 黒い点が広い範囲に出ている、拭いても数日で戻る、においが取れない。このときは専門の業者や管理会社に相談してください
- 家にいるときだけ、咳・鼻・喉・目の症状や頭痛が出る。医療機関に相談してください。カビは体調に関わることがあります
- ガスのようなにおいがするときは、火を使わず、窓を開けて、ガス会社や消防の窓口に連絡してください。これは今すぐの対応が要ります
- 隣の住戸や近隣からのにおいは、直接お伝えするのは避けて、管理会社や自治体の窓口を通してください
ここに当てはまらないのであれば、あとは順番の問題です。道具もお金も要らないところから、効き方の大きい順に潰していきましょう。
順番に潰す、五日間
一日ひとつずつで大丈夫です。この並びは、効き方の大きい順にしてあります。
一日目、換気。窓を二か所開けて、朝と夜に五分ずつ。二か所ないときは、玄関の扉を少し開けて、浴室やキッチンの換気扇を回すと、空気の通り道ができます。ここだけで消えるにおいは、思っているより多いですよ。
二日目、排水口とごみ。キッチン、洗面台、浴室の排水口を洗います。ごみ箱は袋を出して、底を拭きます。生ゴミは、袋の口を縛って冷凍室に一時保管する方法もあります。使っていない排水口には水を流してください。回る順番は、先にお伝えした水回りの一巡に沿うと迷いません。
三日目、洗濯槽と、肌に触れる布。洗濯槽の洗浄剤を一度使い、ゴムのふちの内側を拭きます。バスマット、タオル、枕カバー、部屋着を洗います。洗濯機は、使っていないあいだ蓋を開けておくと戻りにくくなります。
四日目、大きい布。カーテン、ラグ、ソファカバー、寝具。全部でなくて構いません。カーテンは半年に一度洗うだけでも変わります。洗えないものは、風の通る日に窓を開けて、そのまま数時間さらしてください。
五日目、湿気。押し入れと下駄箱を開けて風を通し、家具を壁から数センチ離します。エアコンは、冷房のあとに送風を三十分回すと内部が乾きます。台所のにおいが強いときは、キッチンの片づけと金運|散らかる4タイプに、においの残るタイプの手順を書いてあります。
寝室のにおいが取れないという方は、寝室の整え方|七日間で仕上げる手順に、寝具から空気までを順に整える段取りをまとめています。
芳香剤と消臭剤の、使いどころ
香りで覆うタイプのものは、原因を残したまま上に別のにおいを重ねます。混ざって、かえって落ち着かない空気になることがありますし、何より原因が進みます。
そのうえで、私は使ってはいけないとは思いません。使いどころが後ろだというだけです。
- 原因を潰したあとの仕上げに、弱めに。強い香りは、数日で自分の鼻が慣れて、さらに強いものを求めるようになります
- 来客の直前に一振りするのは、その場しのぎとして構いません。ただし翌日、原因のほうを見てください
- 香りを足す前に、風を通すのが先です。順番だけ守れば、香りは暮らしを気持ちよくしてくれます
においが戻ってしまうときに、見落としている場所
五日間をひと通り終えたのに、二週間ほどで元に戻る。そういうときは、たいてい残っている場所が決まっています。
ひとつめは、玄関と靴です。玄関は家に入って最初に鼻が受け取る場所ですから、ここのにおいが家全体の第一印象になります。下駄箱の扉を開けたまま風を通し、履いた靴はその日のうちにしまわず、一晩置いてからしまう。これだけでかなり違います。
ふたつめは、寝具です。枕カバーとシーツは体温と汗を毎晩受け取っています。カバーを洗っても戻るなら、中の枕本体のほうです。洗える表示があるものなら洗って、そうでないものは風の通る日に数時間さらしてください。
みっつめは、エアコンのフィルターです。冷房を入れた瞬間だけにおうなら、まずフィルターを外して洗います。それでも消えない場合は内部なので、そこから先は専門の業者の領域だと考えてください。無理に分解すると故障につながります。
そして、掃除の頻度そのものより、風を通す回数のほうが効きます。毎日五分の換気を続けられている家は、多少ものが多くてもこもりません。逆に、月に一度の大掃除だけで換気をしない家は、翌週にはにおいが戻ります。頻度の小さいことを、長く続けるほうが結果が出ますよ。
昔から言われてきたことと、実際に変わること
家の空気やにおいを整える作法は、古くから各地に伝わってきました。香を焚く、塩を用いる、季節ごとに風を通す。何をどこでどう行うかは地域や流派で異なりますので、断定できるものではありません。整え方のひとつとして受け取っていただければと思います。塩を使う作法は盛り塩の置き方とやり方|場を整える作法にまとめてあります。
言い伝えを外しても、においが変わると起きることははっきりしています。人を家に呼べるようになります。においのある部屋は、本人も無意識に短く滞在しようとするので、家にいる時間の質が変わります。そして、自分の服や髪に移らなくなります。外での安心の量が、静かに増えるのですね。
縁を整える視点|気づけないことを、責める材料にしない
においの厄介なところは、いちばん近くにいる人がいちばん気づけないことです。これは、暮らしの中でよく起きることの縮図だと私は思っています。
自分では気づかないまま続いている習慣や、言い方の癖。人から指摘されて初めて知る、ということがありますね。そのときに大事なのは、指摘された内容よりも、指摘を受け取ったあとの扱い方です。においを知ったからといって、これまでの暮らしがだめだったことにはなりません。窓を開ければよいだけです。
そして、におい一つで人が離れていくと考えて、必要以上に自分を点検してしまう方がいます。もしそういう緊張が続いているなら、整えるのは部屋ではないのかもしれません。外で気を張り続けている時期ほど、家のことが怖くなるものですから。
まとめ
- 自分の家のにおいは分からなくて当然です。一度外に出て、戻った瞬間の第一印象で確かめてください
- においの質から発生源は絞れます。すっぱい系は排水口とごみ、生乾き系は洗濯槽と布、カビ臭は湿気とエアコン
- 順番は、換気、排水口、洗濯槽と布、大きい布、湿気。香りを足すのはいちばん最後です
部屋のにおいが気になる時期は、人からどう見えるかに気を張っている時期でもあります。
住まいの整え方は、LINEでも少しずつお届けしています。