一粒万倍日は何をする日?意味と使い方
手帳の日付の下に、小さく「一粒万倍日」と刷ってある。特に予定もない、いつもの水曜日なのに、その六文字を見つけた瞬間、何かしないともったいない気がしてくる。かといって何をすればいいのかはわからないまま、夕方になってしまった——そんな一日を過ごしたことはありませんか。
こんにちは、開運と縁を整える仕事をしている出雲です。先に結論をお伝えします。
- 一粒万倍日は、始めたことが育っていくとされてきた日です。年に六十日前後あり、めずらしい日ではありません
- この日に始めれば成功する、という保証はありません。暦は結果を約束するものではないからです
- いちばん役に立つ使い方は、「先延ばしにしていたことを、今日決める」きっかけとして使うことです
一粒万倍日とは、どんな日と言われてきたのか
一粒の籾(もみ)を蒔けば、万倍に実って稲穂になる——この農耕のイメージから来た言葉だと言われています。小さく始めたことが、時間をかけて大きく育つ。そういう日として、暦の上に置かれてきました。
大事な前提をひとつ。一粒万倍日は、年に六十日前後あります。月にすると五、六回。決してめずらしい日ではありません。ここを知っておくと、「今日を逃したら」という焦りがかなり減ります。
そしてもうひとつ。この日の考え方には、続きがあります。良いことも育つが、良くないことも同じように育つ、とされてきました。だからこの日は、始めることの日であると同時に、始めるものを選ぶ日でもあるわけです。
この日に始めたことは、うまくいくのですか
いちばん多い問いに、正直にお答えします。そういう保証はありません。暦は結果を約束するものではなく、先人が農作業や暮らしの段取りに使ってきた目安です。同じ日に同じことを始めても、うまくいく人といかない人がいる——それは、暦ではなく中身の側の話ですね。
では意味がないのかというと、そうも思いません。私が意味を感じるのは、この日が「決める理由」をくれる点です。人は、始めたいことを持っていても、始める日だけは決められません。そこに外側から「今日は始めるのに向く日ですよ」と言ってもらえると、ようやく手が動く。暦は、そのための取っ手なのですね。節目で物事を動かす考え方は、節目の年に起きることでもお話ししました。
先に、この記事が立たない場所をお伝えします
使い方の話に入る前に、二つだけはっきりさせておきますね。
ひとつ。借り入れや返済、契約に関わる判断は、暦の良し悪しで決めるものではありません。日取りが良いから契約する、悪いから見送る、という決め方は、判断の中身から目をそらすことになります。お金や契約で迷いがあるなら、日にちではなく条件を見てください。返済に困っているといったご事情があるときは、法テラスなどの公的な相談窓口や、弁護士・司法書士といった専門家に相談することを先にしてくださいね。
もうひとつ。この日に財布を新しくする、宝くじを買う、という勧め方をよく見かけますが、私はおすすめしていません。お金を使えばそのぶん増えて返ってくるという保証はどこにもありませんし、暦を理由にした出費は金額が大きくなりやすいからです。「今日は良い日だから」という理由は、いくらまでという歯止めを持っていません。金運に結びつけて使いたいなら、出ていくお金ではなく、入り方と流れ方を整えるほうに使ってください。習慣の全体像は金運を上げる習慣にまとめてあります。
そのうえで、では実際に何をする日として使えばいいのか。何を避けるとよいと言われてきたのか。順番に見ていきましょう。
何をする日として使えばいいのですか
この日に向くとされてきたことを挙げます。どれも、お金をかけずにできるものを選びました。
- 新しい習慣を一つ始める。朝の白湯、寝る前の三行日記、一日十分の散歩など。育つとされる日に、育てたい習慣を置くのは筋が通っています
- 出したまま止まっている連絡を出す。ずっと返せずにいた返信、会いたいと思っていた人への一言。関係も、蒔かなければ育ちません
- 学び始めるものを決める。本を一冊決めて最初の十ページを読む、講座の資料を請求する。始めるのは十ページで十分です
- 貯める仕組みを一つ作る。金額ではなく仕組みのほうです。小銭を入れる箱を決める、口座を分ける、家計アプリを入れる
- 手放すものを一つ決める。これは意外に思われるかもしれませんが、育てる場所を空けるのも、蒔く準備のうちです
大切なのは、五つ全部をやろうとしないことです。育つのは、続いたものだけですから。ひとつ選んで、それを翌週も続けられているかどうかのほうが、日取りよりずっと大事ですよ。
一日の使い方としては、朝のうちに「今日はこれを始める」と一つだけ決めて、紙に書いておくのがおすすめです。夕方になってから何かしようとすると、たいてい買い物になります。始めることが決まっていない日ほど、財布が動くのですね。
避けたほうがよいと言われることはありますか
あります。「良くないことも育つ」という考え方から、この日に避けるとよいとされてきたことが伝わっています。
代表的なのは、借り入れをすること。借りたものも万倍に育つ、という語られ方です。それから、人と揉めごとを起こすこと、うっかり安請け合いをすること。どれも、後から膨らむと厄介なものばかりですね。
ただし、借り入れや契約については、先ほどお伝えしたとおりです。暦ではなく条件で判断してください。言い伝えとして受け取っておくとよいのは、揉めごとと安請け合いのほうです。言葉は後々まで残りますし、引き受けた約束はそのまま予定になります。
実際の手当ては単純です。とっさに返事をしそうになったら、その場で決めずに一晩置く。「明日までに返事します」と言えば、たいていの用件は待ってくれます。それだけで、育たなくていいものを蒔かずに済みますよ。人に何かを頼まれて断れないという方は、その場で答えない練習を、この日から始めてみてください。
不成就日や仏滅と重なったら、どうすればいいですか
暦の日には複数の種類があり、重なることがよくあります。一粒万倍日と不成就日が同じ日に来ることもありますね。
この場合の扱いは、諸説あります。打ち消し合うという見方、良いほうを取るという見方、重なった日は静かに過ごすという見方。どれが正しいと決める権威はありません。
私のおすすめは単純です。気になるなら、翌日か翌週にずらしてください。一粒万倍日は月に五、六回あるのですから、待てばいいだけです。逆に、気にならないなら、そのまま進めて構いません。
ここでの判断基準は暦の解釈ではなく、あなたが落ち着いて始められるかどうかです。気がかりを抱えたまま始めたことは、うまくいかなかったときに「やっぱりあの日だったから」と暦のせいになります。それが、いちばんもったいない使い方なのですね。
その日がいつなのかは、どこで見ればいいですか
手帳やカレンダーの日付の下に小さく刷ってあることが多いので、まずはお手元のものを見てみてください。載っていない場合は、暦を扱ったサイトや、こよみのアプリで月ごとに一覧できます。
ただ、一覧を眺めるときにひとつ気をつけてほしいことがあります。日付を先に調べると、「次はいつだろう」と探す作業のほうが目的になってしまうのですね。カレンダーに印だけがどんどん増えて、実際に始めたことはひとつもない、という状態になりがちです。
順番を逆にしてみてください。まず、始めたいことを一つ決める。それから、直近の一粒万倍日を調べる。月に五、六回あるのですから、たいてい一週間以内に見つかります。暦は探すものではなく、決めたあとに背中を押してもらうもの、と思っておくとちょうどいいですよ。
買い物のかわりに、この日にできること
財布や宝くじを勧めない、とお伝えしました。では何をするか、具体的に置いておきます。
- 固定費をひとつ見直す。通信費、保険、使っていないサブスク。ひとつ解約するだけで、翌月から毎月効きます
- 財布の中のレシートを全部出して、一週間分だけ眺める。何にいくら使ったかを見る作業は、新しい財布を買うより確実にお金の流れを変えます
- 引き落としの一覧を作る。紙一枚で十分です
地味ですが、こちらは翌月の家計にそのまま出ます。新年の切り替えとして丁寧に整えたい方は、新年の運気の切り替え方に、暮らしの層ごとの手順をまとめてあります。参拝で区切りをつけたい方は、初詣での願い方もどうぞ。
縁切り・開運の視点——蒔く日は、選び直す日でもあります
縁を見つめてきた立場から、最後にお話しさせてください。
一粒万倍日の考え方でいちばん面白いのは、良いものも良くないものも同じように育つ、という部分です。これは人間関係にも、そのまま当てはまります。
今日続けた我慢は、来年もっと大きな我慢になっています。今日飲み込んだ一言は、来年には言えなくなっています。逆に、今日かけた「ありがとう」の一言は、その関係の中で少しずつ増えていく。関わりというのは、蒔いたものが育つ場所なのですね。
ですから私は、この日を「何を始めるか」だけでなく「何を育てているか」を点検する日として使うことをおすすめしています。この一年、いちばん時間を使った相手を思い浮かべてみてください。その関係を、来年も同じだけ育てたいでしょうか。答えが「いいえ」なら、今日から蒔く量を変えていいのですよ。
暦は、始める許可をくれる日です。そして始めるものを選ぶのは、暦ではなく、あなたです。
まとめ
- 一粒万倍日は、始めたことが育つとされてきた日。年に六十日前後あり、逃しても次が来ます
- この日に始めれば成功するという保証はありません。暦は「決めるきっかけ」として使うのが実際的です
- 向くとされるのは、習慣・連絡・学び・仕組み・手放しの五つ。全部やらず、ひとつだけ
- 良くないことも同じように育つとされるので、揉めごとと安請け合いは避ける。お金や契約の判断は日取りでなく中身で
お金の巡りに影を落としている習慣がないか、いちど確かめてみませんか。
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