見栄で使うお金をやめたい|5つの問いで見分ける
会計を済ませて店を出た瞬間、ふっと冷めるあの感じ。楽しかったはずなのに、財布の軽さだけが妙にはっきり残っている。あの人に「余裕がない」と思われたくなくて出した一言、置いていかれたくなくて頷いた予約、写真に写ったときのために選んだ高いほう。見栄で使うお金をやめたいと調べてくださったあなたは、その「あとから冷める支出」を、もう自分で自覚しているのだと思います。
先に、この記事の結論をお伝えします。
- 見栄の出費をゼロにしようとすると、たいてい反動で戻ります。減らし方には順番があります
- その支出が見栄かどうかは、5つの問いで見分けられます。金額の大小では判断できません
- おすすめしているのは、見栄を禁止することではなく、見栄に使う枠をあらかじめ決めてしまうことです
自分を意志の弱い人間だと責めながら読む必要はありませんよ。見栄の出費は、性格ではなく仕組みで減らせます。
見栄をゼロにしようとすると、たいてい戻ります
はじめに、よく見かける助言と少し違う話をさせてください。「見栄を張るのをやめましょう」「他人の目を気にしないようにしましょう」。正論ですが、これで解決した方を私はほとんど見たことがありません。
理由は単純です。見栄で使うお金の裏側にあるのは、見栄っ張りな性格ではなく、「その場から外れたくない」という不安だからです。不安は禁止では消えません。禁止すると、しばらくは我慢できても、不安が高まった一回で、以前より大きく使ってしまう。ダイエットの反動とまったく同じ形で戻ってきます。
だから最初にやることは、やめる決意ではありません。自分がどの場面で、何を恐れて出しているのかを見分けることです。見分けがついた出費だけが、減らせます。
この支出は見栄か——5つの問い
買う前でも、買ったあとでも構いません。次の5つを自分に向けてみてください。三つ以上あてはまるなら、その支出には見栄が混じっています。
- これを、誰も見ていない場面でも同じ金額で選ぶだろうか。人に見せる場面と、一人のときで基準が変わるなら、選んでいるのは中身ではなく見え方です
- 出す前に、特定の誰かの顔が浮かんでいなかったか。あの人にどう思われるか、と考えた瞬間があるなら、その支出には他人の視線が乗っています
- 買ったあと、誰かに報告したくなっているか。使った満足より、伝えたい気持ちが先に来る場合は要注意です
- 断ったら関係が悪くなる気がして出した、という感覚があるか。恐れが動機になっている支出は、あとで冷めやすいものです
- 一週間後に、この支出を思い出して嬉しいだろうか。見栄の出費は、一週間後にほとんど何も残っていません
この5つの中で、いちばん正直に出るのは1つ目です。誰も見ていないときの自分の基準こそが、あなたの本当の水準です。そこから離れた分だけが、見栄の部分だと考えてください。
見栄の出費が集まりやすい、4つの場面
見栄の支出は、日常にまんべんなく散らばっているのではなく、特定の場面に固まっています。心当たりのある場面を探してみてください。
- 会計の場面。奢る側に回る、多めに出す、細かい調整を言い出せない。ここでのモヤモヤの正体は奢り・割り勘のモヤモヤの正体で詳しくお話ししています
- 写真に残る場面。旅行、記念日、集まり。撮られるとわかっている支出は、そうでない支出より水準が上がります
- 久しぶりに会う相手との場面。同窓会、帰省、昔の同僚。今の自分を証明したい気持ちが、いちばん強く出る場面です
- 落ち込んでいる時期の一人の買い物。これは他人向けの見栄ではなく、自分に向けた見栄です。自分の価値を確かめるための支出は、金額が大きくなりやすい特徴があります
4つ目に心当たりのある方は、支出を減らす前に、気持ちの消耗のほうを先に手当てしてください。人からどう見られるかに疲れきっている状態が続いているなら、承認欲求に疲れたときの整え方も読んでみていただきたいです。
見栄の予算を決める、という考え方
ここからが、私がいちばんおすすめしている方法です。見栄で使うお金を禁止するのではなく、月に使っていい上限を先に決めてしまいます。
- 直近三か月の支出から、5つの問いにあてはまる出費だけを抜き出して合計する。金額を見て驚いても、自分を責めないでください
- その合計の半分を、来月の上限として決める。いきなりゼロにしないのがコツです
- 上限を超えそうな誘いが来たときの返事を、一つだけ用意しておく。「今月はもう予定が詰まっていて」で十分です
- 上限の中で使ったぶんは、後悔しないと決める。枠の中で使ったお金を悔やむと、枠の意味がなくなります
- 三か月続けたら、もう一度合計を出す。減った分ではなく、「悔やまなかった回数」のほうを数えてください
半分から始めるのには理由があります。ゼロにすると、断った場面のたびに損をした感覚が積もり、どこかで大きく反動が出ます。半分残しておくと、「ここは出す」と自分で選ぶ経験ができる。この選んでいる感覚が、見栄の出費をいちばん確実に減らします。
見栄をやめると、最初は少しさみしくなります
正直にお伝えしておきますね。見栄の出費を減らし始めた最初のひと月は、たいてい気持ちが少し沈みます。
これまで支出で埋めていた席が、そのまま空くからです。誘いを断った夜、SNSに流れてくる楽しそうな写真を見て、置いていかれた気がする。「やっぱり出しておけばよかったかな」と思う。ここで多くの方が元に戻ります。
でも、ここで知っておいてほしいことがあります。お金を出さなくなったときに離れていく人は、あなたではなくあなたの支出とつながっていた人です。逆に、水準を下げても変わらず会いたいと言ってくれる人は、最初からあなた自身とつながっていた人です。見栄をやめる時期は、つらいかわりに、この見分けがいちばんはっきりつく時期でもあります。
比べることで苦しくなっている時期なら、SNSで比較して苦しいときの抜け方も合わせてどうぞ。見栄の出費は、比較の量に比例して増えていきます。
縁切り・開運の視点——見栄のお金は、通り道を細くします
ここからは、縁を整える立場としての見方をお伝えします。
昔から、お金は感謝と一緒に動くときに巡り、恐れと一緒に動いたときは重さを残す、と言われてきました。見栄の出費は、この後者にあたります。「よく思われたい」の裏側にあるのは、「悪く思われたくない」という恐れだからです。
私がご相談の場で感じてきたのは、見栄の支出が続いている方ほど、お金が減ったこと自体より「自分で決めていない感じ」に疲れているということです。この、自分の生活を自分で決めている感覚の薄れこそが、巡りをいちばん鈍らせるものだと私は考えています。
そして見栄の出費は、たいてい特定の相手や集まりに紐づいています。誰と会うときに水準が上がるのかを見えるようにすると、支出の地図がそのまま人間関係の地図になります。この見方はお金が出ていく人間関係の特徴で詳しくお話ししていますので、合わせてどうぞ。減らしたあとの巡りの整え方はお金の巡りを良くするスピリチュアル習慣にまとめています。
まとめ
- 見栄の出費はゼロにしようとすると戻る。半分から始めて、枠の中で選ぶ経験を作る
- 見分けは5つの問い。とくに「誰も見ていない場面でも同じ金額を選ぶか」が正直に出る
- 支出が減ると離れる人がいる。それは見分けがつく時期であって、失うだけの時期ではない
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